23ページ目 介護士さんのファインプレーで入浴拒否を克服した話


認知症の症状
その進行のスピードは、
人それぞれであり
多種多様だと言われています。

また、その日の気分や体調、
天気や気温などの陽気によっても
影響を受ける事もあるようです。

私の祖母は認知症を患い、
私はその初期の段階から
徐々に介護度が上がり、

(祖母の場合、
 体の身体機能には特に問題がなく
 単純に認知症の進行による事で
 介護度が進んでいきました)

最後に老衰で亡くなるまでの間
ずっと寄り添ってきました。


今回は、その初期の段階での
印象的なエピソードを紹介します。


ちなみに、私は祖母を
親しみを込めて
「キヨピ」と呼んでいたので、

ここでも同じ様に
相性で呼ばせてください。

身元引受人となる私の自宅近くに
介護付き有料老人ホームがあり、

キヨピは、紆余曲折あり
入所する事になりました。


入所当初は 拒否が強く
慣れない環境への適応が
うまく出来ず


毎日、ホームの方と私で
どうすればよいのかを
模索する日々が続きました。


しかし数日が経つと、
環境にも少しずつ慣れてきて
ホームの生活になじんできました。


老人ホームと一言で言っても
その形態はさまざまですが、

共通して言えることは
「集団生活」の中に
入るということ。

個室で自分の部屋は
あるものの、食事や入浴、
レクレーションなどは

施設の方や入居者と
関わる事が多くなりますので、

今まで独りで生活してきた
にとっては、
その変化に戸惑う事も
あるのは無理もない事です。


キヨピは、
老人ホームに入居する前は
すでに離婚をしていて、
一軒家に息子(私の伯父)と
二人暮らしでした。

伯父は仕事で忙しく、
キヨピはほとんど
独りで毎日を過ごしていたので、

その変化はとても大きなもの
だったと思います。


その後、ホームの生活に
馴染んできてくれて
私もホッとしていたのですが、

1つだけ絶対に
譲らないことがありました

それは「入浴」です。


認知症の方に
よくみられる症状のようで、

まず着替えをする事を
嫌がるようになり、

それと同時に、入浴も
拒否するようになります。

キヨピの場合は、
何でも自分で決めてきた人なので、

誰かに言われて着替えたり、
お風呂に入ったりする事自体が、
嫌だったようでした。

それに加えて、
前回、いつ着替えたり入浴したか
など忘れてしまうので、
余計に拒否が酷くなって
しまうのです。


そんな中、
ある「スーパー介護士さん」
ファインプレーで
入浴をしてくれました!


その介護士さんは、
キヨピの性格を理解して

「本人が入りたいと言う
 状況を作ってはどうか?」


という提案をしてくれました。


手順としては、

どこかに出かける
  ↓
帰宅して体が汚れる
  ↓
汗もかいたし入浴したいと本人が思う
  ↓
そのタイミングで声掛けを
行うというものです


実際にそれを試してみました。

私とキヨピが病院の検診に
出かけて診察を受け、

戻り時間をホームに伝え、
そのタイミングで
入浴の準備をしてもらいました。


ホームに戻ると
少し汗をかいたキヨピに
その介護士さんが、

「足湯どうですか?」
と聞いたのです。


最初から入浴という
ハードルは高い為、

足湯を提案してから
誘導すると考えたようです。


キヨピは足湯を快く受け入れ、
用意してもらった桶に足をいれて
気持ちよさそうです。


そして、
その介護士さんと少し雑談を
していたと思ったら、

なんとお風呂に入ると
本人から了承したそうです。


私もビックリしました。

2か月も拒否していた
キヨピが入浴してくれました!

さっぱりしてして出てきて、
髪の毛も洗ってもらったようで
まるで別人のようでした。


今回の件で、介護士さんは
その身体介護などの
技術だけにとどまらず、

さまざまな利用者さんを
介護する上で
積み重ねられた経験を活かして
日々仕事されているのだなと
感動しました。

私自身もキヨピの事を
理解するために
実際に介護の資格を取得しましたが、

経験の少ない私には
そんな発想は
当然思い浮かびませんでした。


現在すでに自宅で、
介護をされている方

また今後、その可能性がある方も
この記事を読まれているかと
思います。


介護をしていて
とてもつらくなった時は、

プロの方へ相談するのは
とても有効な事だと
思います。

独りで悩まずに、
思い切って相談する事で
気持ちは軽くなるものです。


今後も、
皆さんのお役に立てるように
記事を書きますので、
良かったら読んでいってください。


またコメント欄もありますので
何か書いていただけると嬉しいです。


今回は以上です。
ではまた

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