43ページ目 「見る」のと「やる」では、天と地ほどの差(認知症)

介護や認知症に対するイメージは
人それぞれですよね。


親戚にそういった状況の方がいたり、
介護関係の学校へ行き勉強をしたり、
テレビや雑誌、インターネットなどの
メディアで見た事柄だったり
さまざまです。


今回は、
「見る」との「やる」では、
天と地ほどの差(認知症)
というテーマで書いてみます。


このブログでは、
「相続手続き」を主題にして
作っているのですが、

その手続きを進めていく上で
最も基本となるのが、

1 本人(今回の記事では祖母の事)
  がいないと進まない手続き

2 代理でも出来る為、
  本人に代わって進められる手続き

の二つに大別することができます。


私が行った主な相続手続きでは、
祖母より先に亡くなった伯父の財産を
祖母へ相続させる事でした。
(詳しくは1ページ目をご参照ください)

相続人は、祖母一人でしたので、
手続きとしては「シンプル」
だったのですが、

すでに認知症が進行していた事もあり、
窓口でも本人の意思確認などで
立ち往生してしまう事もまま
ありました。

(孫が騙してお金を取ろうとしている
のではないかって事を疑われるなどは
多々ありました。)

(今思えば笑い話ですが、当時は
真剣に悩んだこともありました)


仕事が休みの日は、
早朝から書類や手続きの準備をして、
自家用車で老人ホームまで
祖母を迎えに行き、

銀行やら市役所やら親戚の所などを
ぐるぐる走りまわる毎日でした。


そんな中、祖母の妹から連絡があり、
手続きの合間に祖母を
日中少しの時間、預かってくれると
言う事でお願いした時がありました。


今回はその時のエピソードです。

(愛情と尊敬を込めて祖母をキヨピ
 祖母の妹をきくさんと 
 呼んでいていたので、
 この記事でもその名前で
 書いていきます。)


キヨピを朝7時半に
老人ホームから車に乗せて、
きくさんが住む家まで向かいます。

道中で、道に咲くお花の話や、
最近あった事などの
雑談をたくさんしました。

「今日はきくさんの所に
 遊びに行くんだよ!」

と伝えると嬉しそうにしてくれました。


ガンコで気が強いキヨピですが、
自分が好きな事や
楽しい事にはとても寛容でした。


きくさんの家までは
車で1時間ちょっとの距離。
たわいもない話題で
お話をしながら到着。

特に老人ホームでの生活の不満を
私に漏らすこともなく、

「施設には親切な人も
 多く、毎日とても助かっている」


などと、好意的な話もしてくれました。


きくさんの家に着くと
玄関まで出迎えてくれました。

家の中に入れてもらって
少しお茶を飲みながら雑談タイム


実は、兼ねてからキヨピがホームで
お風呂に入らない事を
きくさんに話をしていて、

入浴をしてもらえるように、
説得してもらう予定に
なっていました。

上機嫌のキヨピなら
聞き入れてくれるかなと思ったのですが、

「入浴はキチンとしている
 から問題がない」

「そんな事 あんたに言われる
 筋合いはない」

など、全く聞く耳もたず
こちらの要望も簡単に
突っぱねられてしまいます。


入浴拒否は、
認知症患者さんの
大きな問題の一つのようですが、

キヨピも同様に、
芯の強いガンコな性格もあり、
一筋縄でいきませんでした。

(そもそも説得するというのは
 難しかったようです。)


少し険悪な雰囲気になりつつも、
違う話題
(最近咲いている花とか食べ物の事とか)
になるとコロっと機嫌がよくなる
事もあります。


少し雑談をして、
私は1人でできる手続きや
打ち合わせなど
予定が山積みだったので、
キヨピを預けて出発しました。


その際もきくさんは、
「数時間見るなんて
 どうって事ないから
 ゆっくり行っておいでー」


なんて軽い感じで送りだしてくれました。


その後、私は安心して
市役所や銀行など
予定していた場所に周り
手続きを進める予定でしたが・・・


ものの数時間で、
「その後、きくさんから電話が来て
もう泣きそうな声を出していた。
たった数時間で

嫌になってしまったらしい。
子供とおんなじ。

いや子供より始末が悪く、
外にうろうろ出てしまったり、

時計をなんども見て不満を言ったり、
帰りたいと暴れたり、

大騒ぎだったとの事」
(私の当時の手記より)


そんな感じだったので、
それを聞いた私は慌てて
きくさんの自宅に戻りました。


そうしたら、
キヨピは暴れまわった事など、
どこ吹く風で涼しい顔で
迎えてくれました。


きくさんから
大変だった話をたくさん聞いて
私は、予定変更で
キヨピを車に乗せて、
老人ホームに帰る事にしました。


この話はもちろん実話ですが、
まさか 自分の兄弟が認知症になって、
久しぶりに会った時に、

「半日も一緒に居られない」なんて
とってもビックリする事
だと思いませんか?


私にも兄弟がいますし、(3人兄弟)
将来、同じ状況になると思うと、
少し切ない気持ちになります。

認知症の大変な所の一つに、

「体は元気でも意思の疎通が
 難しくなる場合がある」

が挙げられると思います。


裏を返せば、
どんなに重病でも大けがをしても
意思の疎通ができるという事は
とても大きな意味があるわけです。

(元気づける事もできるし、
 これからの話もできる)


きくさんも
「これだけ大変だとは思わなかった」
と言っていましたが、

タイトルにも付けましたように、
まさに
「見る」のと「やる」では、
天と地ほどの差です。


今、実際に認知症の方を
介護されている方や
今後、その予定がありそうで
読まれた方も、

この記事を読んでいただいて
何か感じる事がありましたら
是非、感想のコメントいただけると
嬉しいです。


介護は長期戦!
実際に一番近くにいる人でないと
わからない事も数多くあります。


もし、周りに介護を
実際にされている方が
いるようであれば、

その苦労をねぎらい、
優しくしてあげてくださいね!


今回は以上です
ではまた


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