69ページ目 もしも秘密の借金がありそうなら「○○承認」を活用しよう!

最近、相続対策で多いのが、
「実家に帰ったら両親の口座や、
その他の財産が
どの程度あるか把握
しておきましょう」
と言う話。

これは、多くの相続対策の書籍や
記事にも少なからず書かれている事です。
(私のブログでもオススメした
事もあります。)

確かに、口座の数や財産の
金額を把握できていれば、
その後の相続はスムーズに
行きますし、お金で揉める可能性
は下がるはずです。

でも実際はどうでしょうか?

「お金の話」というのは、
仲の良い家族でも
あまりする事はありませんし、
実際にはしたくないというのが、
実情ではないでしょうか?

私の家でも、嫁の銀行口座が
いくつあって、どのくらいの
預貯金を持っているかどうかは
正確にわかりません。

その逆もしかりで、
私の預貯金や口座の数、
そして「投資」もやっているので、
どの銘柄にどの程度投資しているか
などは、伝えていません。
(投資未経験の嫁には
おそらく説明しても
ちんぷんかんぷんでしょう。)

夫婦であってもこのように
微妙な距離感を持って
やりくりしているのに、

両親の資産、借金の把握などは、
正確にするのは難しい
ように思えます。

特に、「借金」がどれだけ
あるかなどは、安易に周りに
口外しない人が
ほとんどではないでしょうか?

住宅ローン、マイカーローン、
フリーローン、奨学金などなど、

独りで複数のローンを抱える事も
少なくありません。

そして、密かに消費者金融などから
借りている人も多いかもしれません。

生活を豊かにする為に借金をする人
生活苦に追われて借金をする人
子供の未来のために借金をする人

理由はさまざまだと思いますが、
そうやって、借りている金額が
第三者に知られる事はあまり
ありません。

相続でよく、
「借金が沢山ある人は、
相続放棄をして資産も負債も
全く受け継がない」

と考えている方が多いと思います。

相続放棄とは、
プラスの財産もマイナスの財産も
どちらも全て引き継がないと表明する
ものです。

ただ、ここで問題です。

財産が多そうで、その資産
(預貯金、不動産やその他)
を受け継ごうと思ったら、
多額の借金があって、
それが資産を超えていた!!!

さあ、困りますよね

家を売っても、
預貯金をはたいてもマイナス
になってしまう。

こんな事態を防ぐ為の
お助け手段がありますので、
今回、 ザックリとその存在と
内容についてお伝えしたいと
思っています。

まず、単純に
相続財産を確認したら、

資産>債務(ローン)の場合は、
当然の事ながら、
資産から債務を引いた残りが、
遺産分割をする対象の資産と
なります。

次に、
資産<債務が明らかな場合は
(多額の借金が判明しているなど)
前述した、相続放棄を検討して、
資産も債務も受け継がない事によって
遺された遺族に負担がかからないように
検討をします。

では、
資産と債務が同じくらいありそう
または、債務がありそうだが、
金額が把握できない
場合、
今回のテーマの
「限定承認」が威力を発揮します。

これは簡単に言いますと、
資産以上の借金は受け継がない
という事になります。

例を挙げると、

①資産1000万・
 負債1500万だった場合、
何もしないで相続すれば、
マイナス500万に
なってしまいますよね!

これを、
資産1000万、
負債1000万の
相続をする事が出来ます。

あれ?
プラスマイナスゼロだし、
「相続放棄」と同じじゃないの?
と思われたかもしれませんが、
少し違います。

どんな時にメリットが
あるかというと、
・受け取りたい財産
(不動産・骨董品など)が
 あり、借金額が不明な場合
・突然亡くなる、
 疎遠だった場合など、
 資産状況が
 把握できていなくても
 負債を背負うリスクを抑えて
 相続を進める事が出来る事
などがあげられます。

この方法を取る事で、
のちのち出てきてしまった
多額の借金を相続人で
返済しなくてはならないなどの
リスクを抑える事が出来ます。

そして、この限定承認は、
・被相続人が
 亡くなってから3か月以内
・相続人全員の合意が必要
・家庭裁判所に申請する

などが必要ですので、
もし、相続が始まり
今のようなケースが
当てはまりそうだと
言う方は、早めに
専門家に相談する事を
オススメします。

知っていると知らないでは
大違いになるのが相続手続き。

人が亡くなり、バタバタとする中、
このようなちょっとした知識
があれば、有効な選択肢が増えます。
知識は多く持っていても
損はありませんので、
頭の片隅にで覚えておくと
良いと思います。

是非、参考にしてみてください。

今回は以上です。
ではまた

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