85ページ目 車いす購入を前向きに決められなかった話

祖母が老人ホームに入って
ある日の事。

施設から一本の電話
入りました。


ホームでは何か入居者に
変化やいつもと違ったことが
あったりすると、

すぐに私の携帯に電話が来るように
なっていて、どんな些細な事でも
親切に報告をしてくれていました。


しかし、今回は少しオオゴトで、
施設で自分で歩行をしていた時に
転倒してしまい、その謝罪の件。


ホームで利用者さんを
預かるというのは
本当に大変だなと感じるのが、
こういったことが起きた時。


祖母の場合は、
認知症が進行していただけで、
大きな病気もなく、
足も健康だった為、

目を離すとすぐに
ふらふらと歩いて
しまう事が多々ありました。


独りでは危ないからと言って
施設の方が寄り添ってくれる
にも関わらず、

「独りで歩きたいから」

とその介護の方を振り切って
とことこと歩いてしまう事も
日常茶飯事で・・・。


祖母はホームに入る前から
歩く事が好きでした。


何度も聞かされた話で
「労災病院の先生に勧められた」
のが散歩だったようで、

とことこと毎日歩いて
いました。


その甲斐あって足腰も強く、
腰もまっすぐでした。


ホームに入ってからも
昔からの習慣というものは
簡単にはやめられないもので、


施設内を歩きまわったり、
許可がでれば、施設の方と
ホームの周辺を散歩していました。


しかし、今回の転倒で、
施設の方と話合う事に
なってしまいました。


足腰も少しずつ弱ってきていて、
認知症も進行してきている為、
本人の意思も尊重したいが、
車椅子などを使ってはどうか?

という話になった。


私はちょっと複雑な心境だった。


その段階では、
祖母には判断する能力が
弱くなってしまっている為、
決めるのは私


車椅子を使ってしまえば、
楽だし、ホームの方も安心して
介護が出来る。


その反面、
自分の足で歩くという喜びが
失われてしまって、

祖母が酷く落ちこんでしまう
のではないかとも
思いました。


そしてなにより、私自身も
まだなんとか立って歩ける祖母を
車椅子にのせるのは
抵抗がありました。


その後 何日か考えて
車椅子に乗ってもらう事に
決めました。


そしてどうなったかというと

やはり最初は抵抗をして
嫌がっていたものの
慣れてしまえば楽なもので

結局、祖母が再び自分の足で
歩く事はできませんでした。


あの時、無理を言って
「祖母にはまだ歩かせてあげたい」
という事も出来ました。


ただし、今思えば
あの時の決断はそれでよかったと
思うようにしています。


例え歩けなくても
安全に毎日を過ごせるならば
良いと考えました。


杖や歩行具を練習して
一日でも長く方法も
あったかもしれません。


でもいいのです。

良いと思った事が
正解だと信じないと
さまざまな決め事に対して、
後の結果に、
後悔ばかりの人生
なってしまいます。


これを読んでくださっている
介護されている方も、
「本当にこれでいいのかな?」

という場面が多々あるのでは
ないでしょうか?


そんな時も、真剣に考えて
その人を思って決めた方が
正解なんだと自信を持って
良いと思います。


相手の事を真剣に考えるという
行為こそが一番大切ですし、
結果は後になってみないと
わからないのですから。


そして真剣に向き合っている
あなたの姿勢はきっと
相手に伝わっているに
違いありません!

不安に思うって事は、
それだけあなたが愛情を
持って接している証拠です。

今回は以上です
ではまた

コメント

タイトルとURLをコピーしました